今回は、表題の通り「楽譜が読めないけど…」と言うことについてお話しさせていただこうと思います。
楽譜を読む力を「読譜力」といいます。この「読譜力」と言うのは、言葉で言えば、「文字読む力」と言えるでしょう。
「読譜力」を年代別に見ていきたいと思います。
年代別に見ていきたいと思います。
① 幼児期における読譜力。幼児期については、言語の習得と照らし合わせるとよくわかると思います。人間は言葉を覚えるときにまず耳から音として認識します。最初は意味のわからない単なる音が聞こえるのですが、一定の音がある物事と関連付けられて、いつも用いられると、その物事がその聞こえてくる音と関連があると認識します。よくわかる例が英会話教室です。英会話教室の先生はまず音から入ります。つまりhello 、good morning 、thank などと言いながら、体のジェスチャーを交えて、その場面にふさわしい音を発音します。中学英語ではthis is a pen.と書いてある文字を見ながら発音します。これは英会話教室の方法と全く異なる言語習得法だと思います。言語を覚える最初の期間、つまり幼児期にまず何を認識して言語を習得していくのでしょうか?それは明らかに音を認識するところからです。
音を認識するところからです。
ですので、幼児期や小学校低学年位までの時期にピアノを始める場合は、ごく優しい音の並びから始めることになります。このレベルですと楽譜を見てそれを理解して、指の運動に変えてピアノを弾くと言うよりも音を認識することを最優先して、ピアノを弾く方が理にかなっているかと思います。もちろん「読譜力」をおろそかにして良いと言うわけではありません。それから先の過程に今後進んでいくにあたって「読譜力」は必要になってきますので、少しずつ学んでいく必要はあると思います。しかし、「楽譜が読めないからだめだ。」と落ち込んでしまう必要はありません。言い換えればそれだけ耳の力がしっかりしているのだと考えられます。
まとめ…幼児期においては、言語の初期学習の時と同じように、まず耳から音を認識し、それをもとにピアノを弾いていくのが良いと思います。しかし、今後の上達により曲の難易度が上がりますので、その時の準備として少しずつ「読譜力」を向上させるのが良いかと思います。
次回は、その幼児期の「読譜力」の向上のさせ方をお話しいたします。